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オーディエンス各位へ
明けまして、おめでとうございます。
皆さん、お元気でしょうか。
皆さんにとって昨年はいかがでしたか。
金融危機から始まった世界的な不況は日本にも直撃し、多くの方たちが苦しい生活状況に追い詰められています。
世界経済の知識はほとんどありませんが、それでも「これって何かおかしい、まともじゃない」と思わざるを得ません。
資本主義経済の崩壊を予測する人さえいます。
市場原理主義の行き過ぎを以前から指摘する人も多くいましたが、実体経済からかけ離れた架空の巨額なお金が私利私欲のために動いている。
そして気がつくと、そのようなマネーゲームとは無縁なはずの人たちが、そのツケを払わされている。
もうそんな偽りの政治や経済から脱却し、まともな制度に移行する時が早く来ることをみんなで願いたいものです。
「一般の人が、普通に働けて、普通に生活する中で、それぞれの生き甲斐と幸せを見つけられる社会」をいち早く確立したいものです。
そんな社会の動向に振り回されながらも、それでも「生きている」って素晴らしいことです。
私たちサトワミュージック周辺も色々ありました。
6月には美音志君のデビューCDをリリースし、私も念願のDebussyのCDを9月にリリースすることが出来ました。
そしてコンサートで各地に行くことが出来、沢山のオーディエンスに演奏を聴いていただきました。
サトワミュージック自体の運営は、ダウンロード配信などによるCD販売店の減少と今回の不況のあおりで、CDの販売数は落ち込んでいます。
小売店からの注文も減少していますから、皆きっと大変なんだろうと思います。
それでも私たちは音楽を続けられることの素晴らしさと、喜びを味わっています。
昨年は私の心の成長にとっても大きな意味のある年でした。
4年ほど前から参加しはじめたトランスパーソナル心理学系のワークショップもある段階に到達したという手応えを感じています。
抽象的な説明しかできないのですが、深層にあって自分自身でも気がつかなかった、大きなブロックがようやく溶解しはじめたのです。
一言で言えば、59才にもなってようやく「親密になる事への恐れ」を乗り越えはじめたと云うことでしょうか。
その結果として父や息子、そして友人たちとの関係、何よりも奥さんの美枝子さんとの関係性に大きな変化がやってきました。
そして美枝子さんと、お互いが魂のパートナーであることを、自我を超えて分かち合うような掛け替えのない体験を得ることが出来ました。
ま、ノロケだと思ってくださって結構ですが、、、、
今年、私と美枝子さんは還暦を迎えます。
すごいですね〜〜還暦ですよ!!
今までの生き方を見返し、これからの残りの人生を如何に生きていくのか、大きな節目に来たと言うことです。
私は昨年末から、1990年から始めたコンサートの録音を、ひとつひとつ聴き返しています。
音楽はたった一回だけのドラマです。
同じ演奏は二度とやってきません。
それだけに私は録音というものに執着しました。
二度と帰ってこない音楽に、潔く別れを告げられないのです。
私はコンサートのたびに高性能な録音機材で録音し続けてきたのです。
今までのコンサート録音のストックはかなりの量になりました。
録音にはその時その時の音楽のありのまま、魂のありのままがが刻印されています。
それをひとつひとつ聴き返しながら、自分の音楽の軌跡をトータルで見極める作業です。
そうすることによって、「これから音楽にどう向き合うって行くのか、どう向き合えるのか」が見えてくるのではないかと考えています。
聴き返す作業はかなりしんどいです。
良い演奏を聴けば「ああ、もうこれを超えられない」と思うし、良くない演奏を聴けば「ああ、こんな演奏を人様に聴かせていたのか」と思うし、どちらに転んでも落ち込みます。
でも逆に考えれば、良い演奏には「ああ、私って素晴らしい」、良くない演奏には「もっと良くなる余地がある」と言うことでもあり、ポジティブに見ることも出来ます。
まだようやく91年目に入ったところです。
92年から08年まで、どの位かかるでしょうね〜〜
でもこの作業をなくして、先に進むことは出来ません。
何とか頑張りたいと思います。
そして平行してやっている作業に、インターネット上でそれらのコンサート録音の試聴やダウンロードが出来るように新しいWebContentsの構築をしています。
今まではYUI WORKSさんにお世話になりっぱなしだったホームページですが、WebContents製作に興味もあるので、自分で一生懸命作っています。
一緒にフォトギャラリーや各地で堪能したベジタリアン料理の紹介もする予定です。
インターネットのおかげで、CDそのものの販売数は減少していますが、今まで出来なかった新しい音楽の提供の仕方が可能になっています。
皆さんに聴いてもらいたいけど、CDにして販売するにはコストがかかりすぎるしストックするのも大変という内容には最適です。
お金にはならないかもしれないけど、大きな新しいオーディエンスとの関わり方が出来るはずです。
ダウンロードの音質では満足できない方にはCDRによるオンデマンド対応も視野に入れていますし、写真作品の販売も考えています。
その他にもやりたいことは一杯です。
まずNHK番組のテーマ曲を含めたメロディー系のCDの録音制作、エリックサティーの録音、美音志君とのエスニック系フュージョン系などのセッション、等々いくら時間があっても足りないぐらいです。
幸いというか、4月までほとんどコンサートがないので、この機会に制作に取り組みたいと思っています。
とは言え2月7日(土曜)には私がとても気に入っている京都コンサートホール(アンサンブルホール・ムラタ)でコンサートがあります。
このホールはカザルスホールや浜離宮朝日ホールなどのシューボックスタイプのホールと異なり、横に扇状に広がっていてアーティストとオーディエンスとの距離感が近く、ピアノの音質やエネルギーがダイレクトに届き、響きに透明感があり、国内にある500人規模の音楽専用ホールの中でもっとも好きなホールの一つです。
しかも置いてあるベーゼンドルファー290はとってもレスポンスが鋭敏な良質な楽器で、これも国内ではなかなかお目にかかれない代物です。
コンサートでは一番信頼している調律師やステージマネージャを東京から来てもらうことにもなっています。
そして最近のコンサートではなかなか機会がなかった40〜50分のインプロヴィゼーション(即興演奏)に挑戦することになっています。
最近このようなホールで本格的なソロコンサートをやる機会が少ないので、今からとっても楽しみにしているだけでなく、いやが上にも気持ちが引き締まります。
美枝子さんや美音志君の新たな展開にも期待が高まっています。
美枝子さんはサトワミュージックのデザイナー、プロデューサ、社長役、世話役、まとめ役といろいろ活躍して来ました。
そして今年の還暦を期に一人のアーティストとして、長い間暖めていたエネルギーを「作品」表現すべく準備を進めています。こうご期待です。
さて、還暦に大きな意味を感じながらも、今までの生き方が大きく変わると言うことはありません。
今まで通り、目の前にある「確かな仕事」にちゃんと向き合って、一つ一つ丁寧に一生懸命にやり続ける。
急いだり、焦ったりすることもなく、かといって怠けることなく、歩み続ける。
たとえ宇宙に帰る日を宣告されたとしても、今まで通りの生き方を変える必要がない、そんな毎日の手応えを十全に受け止めながら生きていきたいものです。
社会や世界の動向に目を背けることなく、そしていろいろ試される場面もありますが、しかしそれに振り回されることなく(振り回されても良いんですが、、、)、しっかりと自分の人生を歩んでいくしかないのだと、幾たびも自分に宣言(アフォメーション)しています。
結局、自分の生き方は自分で責任を持つしかない、自由に生きるしかないのだと思います。
さてさて、長々と書いてしまいましたが、サトワミュージックを今年もどうぞ宜しくお願いします。
そして皆さんにとりましても良い年でありますよう、心からお祈り申し上げます。
SATOWA MUSIC
ウォンウィンツァン
2009/1/1元旦
ドビュッシーのCD
ようやくドビュッシーのCDが完成いたしました。
仮レコーディングを始めてから4年近く経ってしまいました。
こんなに遅れてしまったことを言い訳をすれば、家庭や諸処の事情などで充分な時間と精神的ゆとりがなかったため、となりますが、要するに技量がなかなか追いつかなかったということですね。
クラシックの演奏家たちが日々いかに精進されているか身にしみて解り、改めて彼らに尊敬の念が涌きました。
もちろんどんなに精進しても如何ともしがたい才能というやつもありまして、しっかり限界を突きつけられて、結構打ちのめされたりもしました。
そのことはあらかじめ予想していたことではありましたし、しっかり自己確認したくて始めたわけでもあり、自己受容の良い契機にもなりました。
それと、ドビュッシーというテキスト(楽譜)をどのように演奏したいのか、なかなか見えてこなかったと言うことがあります。
例えば童謡に関してもそうでしたが、ひとつの音楽をどの様に演奏するべきかは頭で考えるものでもなく、ひたすら演奏を録音し、それをなんども聞き返しながら「本当の私はそのように演奏したいのか」という自問自答の繰り返しなのです。
自問して、素直に答えが返ってくれば良いんですけどね、、、
何しろ楽譜にはドビュッシー先生のご指摘がしっかりあるのにもかかわらず、その通り弾けないし、、、
また、名だたるヴィルトゥオーソたちの名演奏が脳裏をかすめるし、、、
手だては、ただただ録音とプレイバックを繰り返し、やってくるものを待つしかないといった感じでした。
それは繰り返すことによって「解釈」を捨てていく作業でもありました。
いやはや、色々錯綜しました。
今年の年末年始の録音にいったんOKをだしマスターリングまで行ったものの、その後ボツにし、4月、6月、そして8月、プレス業者に納品する直前まで録音のやり直しを続けました。
なかなかピリオドが打てないのはいつものことですが、リリースした今でも聞き返しては往生際悪く「う〜〜ん」と唸っています。
自己評価をすれば、全体的にはようやく素直な演奏にはなったと思います。
ようやく自然な演奏になったとは言え、それでも、まだプロセスなのではなかろうかという気持ちが残ります。
つまり、ようやく自分がどう演奏したいのかは見えてきたけど、もっと音楽に己を解放して身を委ねきって演奏できるはずだ、と思ったりするのです。
「まだ先があるぞ」という感じは、これもいつものことではありますが、、、
そのようなエクスキューズはあるにせよ、今の私が出来る最善であり、限界と言うことでは自己納得はしているようです。
録音方法も色々試行錯誤しました。
DohYoh1以来、随時、録音方法を試行錯誤しているのですが、クラシック音楽の収録と言うことで、どの様な方法がベストなのか、ゼロから考え直してみました。
可能性と求める音とのせめぎ合いの中、これも結構錯綜したのですが、最終的には現時点でもっとも満足のいく音にまでたどり着けたと思います。
ただベーゼンドルファー290という市販されている中で最大のピアノを我が家の小さなスタジオに押し込めた状態では自ずと限界があり、それは以前から悩み続けていたことでありますが、今後のレコーディングをどう転換するか、大きな課題にもなりました。
今回のドビュッシーのレコーディングをすることによって、実に沢山のことを学ぶことが出来ました。
つくづく自分が未熟であることを思い知らされましたし、課題(テーマ)が明確にもなりましたし、可能性も感じることが出来ました。
何とかドビュッシーをCDにすることが出来、ある種の達成感と共に、さらなる道のりを歩むモチベーションを得られたような気がします。
今回のCDを手始めに、大好きなサティーやラベル、フォーレなどのレコーディングも是非やりたいと考えています。
そして、何より「ムーントーク」から始まった即興演奏をもっと深めたいと思っています。
美音志君とのプロジェクトも推し進めたいし、、、
昨日は、新宿副都心にある東京都庁に行って、免許の更新をしてきました。
実は都庁に行ったのはこれが初めて。
ひえ〜〜〜なんだ、この建築物は〜〜〜
巨匠丹下健三によるデザイン、、、、
あまり私の趣味ではないです。
こんな建築物にお金をかけるんだったら、もっと違うことに使ったら〜〜などといまさらながら、思っちゃいました。
目白にあるカテドラル教会は結構好きなんだけどな〜〜
さて、免許の更新は以前に比べてとってもスムーズ。
ただおかしかったのは、視覚検査の時。
検査機械をのぞくと、そこに英文字でCと書いてある。
検査員の方が「、、、、ですか?」と聞いている。
ちょっと発音がはっきりしなくて何をいっているのかよくわからなかった。
そこで私はおもわず「Cです」と答えてしまった。
そしたら検査員の方が「なかなかいいですよ〜〜」とまた訳のわからないことを言っている。
私は思わず「あの〜〜どういうことなんでしょう」と聞くと、相手もあきれたような、うろたえているような。
ようやく合点がいって、要するにCは「右」と答えればよかったのだ。
ということで適性試験も何とかクリアー。
無事、更新ができました。
免許更新での講習会では、事故の恐ろしさなどのビデオを見せられる。
私の運転は、一応免許状では「優良」ですが、やはり慢心してはいけません。
交通事故が起こってからでは、その後、とても辛いことが待っています。
これからも心して運転することにしましょう。
今年9月に佐世保にある自動車学校が私のコンサートを主催します。
そこは全国で初めて障害を持った人のための講習を開いた学校です。
コンサートの収益は、主催者の意向で交通遺児のためのチャリティーにすることになりました。
実は免許を取得したのは、40代近くになってから。
20代に取得しなくて正解。
あの頃の自分の人格を考えると、とっても危険すぎました。
いやいや、取得した後も、あわや事故という場面が何度かあり、思い出すと冷や汗が出ます。
みなさんも運転はくれぐれも慎重に、、、、、
NHKからお声がかかった。
オーダーをいただいたのは2月の上旬。
なんと午前中の10時に担当プロデューサがわざわざサトワミュージックにお越しくださった。
午前中にミーティングなんて初めてかも。
NHKの音響プロデューサは相当働いている、ってかんじ、、、
さて、内容は「春・にっぽん紀行」のテーマ、エンディングテーマ、など、、、
2〜3曲候補を提出して、総合プロデューサのお伺いをいただくことに、、、
いや〜〜最近ほとんど作曲してなくて勘が働かないし、写真展やら、納骨やら、実務仕事やら、あたらしいCDの仕上げやら、なにやら忙しくて、なかなか手につかない。
録音は3月14日決まっているから、少なくとも3月に入ったら提出せねばならない。
結局作業に入ったのは3月1日、、、、
作曲も様々なやり方があるのだが、困ったときに採用する方法でやることにした。
ひとつのイメージで即興演奏したものを録音し、それを楽譜に起こして、それぞれのメロディーを吟味し、再構築して、一曲に作り上げる。
楽譜に立ち上げるのが面倒くさいのだが、確実に曲を仕上げることが出来る。
3月3日には2曲、mp3にして担当の音響プロデューサに送ることが出来た。
このような作曲法は、イメージするその世界観や情景というものが大きく作用する。
逆に言うと自分の内側から出てくるものしか出てこないわけで、最初のイメージがとっても大切になる。
自分が持つイメージの限界という問題もあるし、2曲作曲し終えて、もっと他にイメージがあるのでは、という思いがいつも残ってしまう。
口頭と文章の打ち合わせだけで、映像を見ているわけではないので、映像との絡みで果たしてこれで良いのかどうか、という不安はいつも残る。
幸い、とても気に入ってもらえたようで、最初に作った曲が採用された。
また、2曲目の持つ世界観にも共感いただいたようで、アレンジの段階でそのようなものも含んだものにしたいというお話だった。
一曲目は、語りかけるような応援歌、、、、
二曲目は、遙かなる健気さ、、、
さて、次なる作業は、その曲を、オープニングやエンディング、あるいは告知用、そしてシーンに使える曲想に、テンポやサイズ(展開)、オーケストレーションのサンプルを作って、実際に映像にフィットさせていく。
近年のIT技術は、これらの作業を実に効率化してくれた。
音楽製作のためのコンピュータソフトとインターネットのおかげで、作曲家とプロデューサ、関わっているクリエイターの全員が、直接会うことなく、共同作業の中でイメージを共有することが出来る。
コンピュータ上でサウンドをシミュレーションし、それをmp3にして、メールでプロデューサに送り、それに対して電話やメールでいろいろやりとりしながら作業を効率よく進めることが出来るようになった。
本当に便利になったものだ、、、、
このやりとりはとっても楽しかった
特に面白かったのが、最初のサウンドサンプルをプロデューサさんが聴いて、「ウォンさん、これって何か歌謡曲みたい」とだめ出しをいただいたことだ。
すかさず私は「J-Popって言われたかったな〜〜」ははは、h
私も今は58才。
しっかりおじさんというか、ははh
まあ、私の音楽はどちらかというとスタティックなものが多い。
でも、私の中には、昔取った杵柄で、ロックやソウルの影響がしっかり残っていて、そういったサウンドを今回試して見たいと思った。
映像のコンセプトとしてはより若い人向けと言うこともあった。
でも、先方はどちらかというと私の音楽の持つ内面性みたいなものを望んでいたのだ。
これは当然と言えば当然なわけで、プロデューサーさんのツッコミは的を得ている。
私ぐらいの歳になると、ツッコミを入れるのは家族ぐらいしかいなくなってしまったので、プロデューサさんのこのツッコミは、なかなか楽しかった。
実際にはサウンドサンプルを6タイプも先方に送ることになったのだが、クリエイター皆が納得し、イメージを共有できたし、そのおかげでスタジオに入ってから錯綜することがない。
今回の仕事も「家族の肖像」の音響プロデューサ、佐々木さんの紹介だが、彼は本当に人間的に熱いな〜〜
担当のプロデューサは小野さおりさん。
後で聞いた話だが、この方もNHKでは大御所のようです。
音大ピアノ科卒業だそうで、なかなかの辣腕、、、、
的確にプロデュースされてしまったのでした。
さて、録音の段階になったわけですが、ピアノのパートだけはNHKのスタジオではなく、satowa musicスタジオで先に録音しておくことにした。
当初はすべての演奏者が一堂に会して「せぇーの」で録音しようと思っていた。
それが本来の音楽のあり様なわけだが、近年はマルチ録音が主流で、おかげでひとつひとつの録音をきめ細かく丁寧に積み上げることが出来るようになった。
しかし逆に、皆で一緒に演奏する喜びなり楽しみもなくなってしまった。
そこで今回は、我が儘を言って、N響などが録音に使うNHKの一番大きなスタジオ、509stを使わせてもらうことにして、すべての楽器が同時に鳴る醍醐味を味わうつもりでいた。
でも、しかしそれは、ちょっと無謀かもしれないと気付き始めたのだ。
アレンジャーが自ら演奏し、指揮もし、サウンドプロデュースもし、すべてをトータルに意識を向けながら、自分の望む音楽に仕上げて行くには、能力を超えている。
特にピアノがメインになるわけで、全能力を演奏につぎ込みながら、他のことにも細心の注意を払う事など出来るわけがない。
実際、NHK509stで録音を始めた時、その判断は正しいと思った。
今回、演奏に参加してくれたメンバーは、ベース、斉藤誠氏、ドラム:市原康氏、そして金子飛鳥ストリングス(18人)のメンバーだ。
一言で言えば実に楽しかった。
皆、より良いものを作りたいと思って参加している。
私がイメージしているものを、演奏者それぞれが具現しようと頑張ってくれた。
ひとつひとつ音楽を築き上げていくプロセスを私もそこに参加している皆も、心から楽しんだ。
演奏のきめの細かいアプローチを、丁寧に音にしていった。
あっという間に時間が過ぎていった。
皆が音楽をやっている手応えを感じていた。
スタジオは明るい笑顔で一杯だった。
やはり、音楽っていいな〜〜〜
後は映像とどのような出会いが待っているのか、楽しみだな〜〜
さて、3月の26日27日28日の三日間、NHK総合テレビの夜の7時半から30分
「春・にっぽん紀行 出発(出発)」
主人公は独り立ちする若者たち。
それぞれの壁を乗り越えようとする姿を描くドキュメンタリー。
是非ご覧あれ!
たぬき!?
昨日の朝、なにげに庭を見ると、猫が横切ろうとしている。
この近辺をテリトリーにしている三毛猫が、いつも我が家をわがもの顔で横切って行く。
三毛の境界線がちょうど顔の真ん中なので、何ともおかしい。
猫好きのスタッフが「ブサコちゃん、ブサコちゃん」と言いながらかわいがっている。
「ブサコかな」
あれ、あれれれ!ブサコじゃない。
いや、猫じゃないぞ、いやいや、犬でもないぞ。
顔がとがっている。
「た、たぬき、、か〜〜!?」
体つきはちょっと太った猫のようで、尾っぽはふさふさしていて、それほど機敏そうには見えない。
私は目を疑った。
本当に疑った。
「やっぱり君は、たぬきなのか〜〜?」
なんで東京のこんなところに?
野性味は感じられない。
もしかして近所で飼われていたのが脱出したのかもしれない。
庭をゆっくり注意深く横切りながら、ふと私と目があった。
キョトンとしている。
わたしだって、キョトンとしている。
キョトンとしながら見つめ合った。
何とも言えない時間が漂った。
ふと、自分が写真家の卵であるのを思い出した。
「しまった、カメラを手元に置いておくべきだった〜〜」
私は写真家魂の未熟を恥じた。
もう動けない。
動いたら逃げられそうな気がした。
いや、もうカメラのことを考えたとたん、彼との出会いはもう終わっている。
たぬき君は視線を外して、周りをきょろきょろしながら庭の向こう側にきえていってしまった。
たぬきの仕草や表情は何とも可愛く、あどけなく、人なつっこい、、、。
「ああ、お友達になりたい」
やはりお友達にはたぬきだ。
君のような野性味のないたぬきが生きて行くには東京は厳しすぎる。
心配だな〜〜
きっと又戻ってきてくれる。
戻ってきてくれるに違いない。
これから庭を横切る猫を見るたびに、たぬき君かもしれないと想うだろうな〜〜。