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love letters (ラヴ・レターズ)
- Joelle (ジョエル)
《Joelleの静謐で美しい歌声と北欧の繊細な空気感に包まれた、ラヴ・ソング・ブック》
アメリカ人の父と日本人の母を持ち完璧なネイティヴ・イングリッシュで歌う、新しい“癒し系ジャズ・ヴォーカリスト”Joelle(ジョエル)のデビュー作。
本作は、曲名に「ラヴ」がつくナンバーが4曲あることからも明らかなように、愛をテーマにしたスタンダード・ナンバーを中心とした曲構成。
ハーモニーの美しさを繊細なタッチで表現する名手でスウェーデンを代表するピアニスト、アンダーシュ・パーションと日本とスウェーデンジャズ界の架け橋、森泰人をベースに迎えたトリオ編成でジャズの名曲に挑戦しています。
レコーディングに参加したアンダーシュ・パーション(p)は、ビル・エバンスを彷彿とさせるリリカルで美しい一面と、ハンコックの持つ力強い一面を併せ持つ独特のピアノスタイル。
4回もスウェーデン・ジャズディスク大賞(Jazz i Sverige)を獲得したという実績を持っています。
(P) King Record co.,ltd.
レーベル:SEVEN SEAS
KICJ-524
税込価格 3,000円
歌詞カード付き

01 ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング 
02 恋に落ちた時 
03 マイ・ワイルド・アイリシュ・ローズ 
04 ザッツ・オール 
05 マイ・ロマンス
06 ラヴ・レターズ 
07 ビー・マイ・ラヴ 
08 ソー・イン・ラヴ
09 ムーン・リヴァー 
特におすすめ
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アーティスト
ジョエル(vocal) アンダーシュ・パーション(piano) 森泰人(double bass)

 「ジャズ・ヴォーカルの当たり年」と言われた昨年は、各国から新人や若手女性シンガーが数多くアルバムをリリース。歌好きの音楽ファンを喜ばせた流れは今年に入っても続いている。本アルバム『ラヴ・レターズ』がデビュー作となるジョエルも、そんな時代の動きに歩調を合わせるかのように登場した歌姫だ。

 アメリカ生まれ。ジャズとブルースを好む父親の影響を受けて、幼少時から音楽に親しみ、ハイスクール在学中にはオペラ歌手からヴォーカルを学んだ。早くから歌うことの楽しさや、自分の歌が人々を楽しませることに喜びを感じた様子が想像に難くなく、プロのヴォーカリストの道に進んだのもジョエルの運命だったと言えるだろう。今回のアルバム・デビューにあたっては、スウェーデンのイェーテボリが録音地に選ばれ、彼女の魅力を引き出すために最適の、頼りになるミュージシャンが集った。

 ピアノのアンダーシュ・パーションは1958年イェーテボリ生まれ。地元の音楽院に在学中の80年代初めから演奏活動を始めた。ボブ・バーグ、クラーク・テリー、トム・ハレル、トゥーツ・シールマンスら著名ミュージシャンと共演を重ねてキャリアを高め、88年に自己のトリオを結成。これまでに3枚のアルバムをリリースしている。近年はリーナ・ニーベリ“ア・ソング・ブック・トリオ”で活動し、来日公演も実現。参加作はアンダーシュ・ベリクランツ、クリスティアン・スペリング等多数。スウェーデン各地で教育活動にも携わってきた。ベースの森泰人は1952年東京生まれ。大学在学中から江夏健二(ウォン・ウィン・ツァン)トリオに参加し、沖至、坂田明のグループでも活動。卒業後は高柳昌行、八城一夫、渋谷毅、阿川泰子、中本マリら多彩なミュージシャンと共演。81年に夫人の母国であるスウェーデンへ移住し、ボブ・バーグ、リー・コニッツや現地ミュージシャンとの交流を重ね、晩年のスタン・ゲッツ・グループに抜擢されたことで地位を固めた。94年から北欧のミュージシャンを日本に紹介するライヴ・シリーズ「スカンジナビアン・コネクション」を主宰。ラーシュ・ヤンソン、ボーヒュースレン・ビッグ・バンド、ジャネット・リンドストゥルム、トミー・コッテル等々との共演ステージを実現させ、現在日本で人気と認知度が定着したヨーロッパ・ジャズの先駆的な紹介者として、最大級の貢献を果たしている。森とパーションはパーション・トリオとニーベリ・トリオの共演者という関係にあり、音楽的に気心が知れた2人がヴォーカリストを助演するセッティングは、やはり理想的なものだ。

 全9曲が収められた本作は、曲名に「ラヴ」がつくナンバーが4曲あることからも明らかなように、愛をテーマにしたスタンダード・ナンバーを中心としたプログラム。ビル・エヴァンスのレコーディングで知られるミシェル・ルグランのオープニング曲「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング」を聴いて、驚く向きも多いと思う。歌詞で描かれる世界に情感を乗せて歌い込む姿には、“本格派”のキャッチ・フレーズがオーバーラップする。清潔さと若々しさが漂うビブラート歌唱が好ましい「ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ」、有名なサラ・ヴォーンのアップ・テンポ・ヴァージョンとは一線を画し、バラードでじっくりと聴かせる「ザッツ・オール」、ポイントを外さない歌唱力を印象付ける「マイ・ロマンス」、ヴァースからスタートして表情に変化をつける「ラヴ・レターズ」と、ジョエルがヴォーカリストとしての高いスキルを兼ね備えた上で、このデビュー録音に臨んだことがわかる。「マイ・ワイルド・アイリッシュ・ローズ」に顕著な、清涼感溢れる歌唱こそがジョエルの魅力。日本人に共通するメンタリティを持つスウェディッシュの協力のもとにレコーディングされた本作は、ジョエルの美点を浮き彫りにして、すべてのリスナーに心地よいリラクゼーションをもたらすアルバムに仕上がっている。

2007.9.2 杉田宏樹

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